守れなくて、ごめん

ケイが
覚せい剤に手を出したのは
今回が3度目だった


過去に2回、
自力で止めている自信からか
今回手を出したのも
安易すぎる気持ちだった


あたしの声も聞かず
日に日に、ケイの右腕には
注射痕が増えていった



「左はもう
血管でないからさ」


そう笑うケイの笑顔が
憎くてたまらなかった



あたしの目の前で
器用に注射器を操作するあなたを
あたしは最後まで
直視できなかった



あの時、
現実を受け止められていたら
・・・






あたしの弱さが
ケイの命を奪ったんだ
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