守れなくて、ごめん

そして、

いつもと変わらない顔でケイとホテルに入った



笑顔で注射器と薬を準備するケイを
あたしはぼーっと見てた



ケイが目を離した隙に
あたしは
パケを手に取り
トイレへ駆け込んだ




状況が把握できていないケイ


あたしが覚せい剤を捨てたという現状を理解すると
ケイは
怒り狂い
あたしの胸ぐらを掴み
殴った



殴られながら
あたしは冷静だった


こうなる予想はしていたから




いくら殴ってもいい


あたしを殴って
薬を止められるなら
こんな痛みどうでもよかった



鈍い痛みが
全身を襲う



体も意識も
麻痺りながら



あたしの心だけが



泣いてた
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