嘘恋
「やらないの?」

「バンドやると、時間なくなるからな。バンドだけやって、他てがつかなくなるからさ。笑。飯食えるわけでもないしな」

「浅野さんがバンドやったら、私、ファンになるよ!!!」

「まじで?笑」

朋久は ソファーに座る沙織の後ろから

沙織を抱きしめる。

「ファンじゃなくて、彼女になればいい…」

沙織は、また 変な 落ちだとおもいながら

朋久の腕を 解く。

「また、ジョーダン、止めろ」

「ジョーダンじゃないよ」

朋久はソファーを跨いで、沙織の横に座ると、正面から 抱きしめる。

拒否できたはずだし、拒否すべきだったのかもしれない。

状況に流されているほど 沙織は 冷静さはなくしてはいなかった。

朋久は左手で 沙織の腰を 右手で沙織の右側の頬を優しく 撫でる。

そして、キスをした。

長い キス。

「…ん…」

「力抜いて…」

朋久は、沙織を抱き抱えると ベッドに 二人 転がり込む。

また、キスを再開。

子供のキスから 次第に 激しい キスへ…

朋久の暖かい 大きな手が沙織の体を なでつくす。
朋久は、部屋の明かりを 一番くらくする。

キスをしながら、沙織の衣類を外して行く。

慣れてるなぁ…… 沙織のあたまの中に… そんな気持ちが巡った。

朋久は自分も着ているものを脱ぐ。

暗がりでも 均整の取れた 体は 見て取れた。

着痩せするみたいで 身体はそんなに細くない。

お腹もほどよく 割れてて沙織は こっそり そのお腹を触る。

「くすぐたいよ、笑」

「割れてる」

「まぁなー。なんもしてないからいずれメタボだな。アハハ」

また、朋久は沙織の唇や体に キス…キスキスキス…。

「…私、ゴメン」

「ん?」

「したことない…」

沙織は布団を 被る…

まだ、沙織はバージンだった。

きっと 遅いほうだろう。
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