嘘恋
「朋久だよ」

朋久は、自分の名前を 言った。

「…お願いします。…朋久くん…」

沙織は、恥ずかしいMAXで、お願いした。

「アッハハ、アハハ!!!」

「なに、もうヒドイさっきから」

「いや、かわいいなとおもって…」

「からかわないでよー、最悪…」

二人で仲良くしている。

こんな なんでもないひと時が

今は 一番 楽しかった。

次の瞬間までは。


一つ目の 嵐は そこまで来ていた。


朋久は、沙織の隣に座ると、抱きしめた。

「お前といると、落ち着く」

そして キスをした。


そして、

「何してんだよ、おまえら」

朋久と沙織の目の前には、状況がわからないが 動揺と憤りが隠せないでいる

マツが 立っていた。

「マツ…」

「何やってんの?沙織」

沙織は 立ち上がると マツの手を引っ張る。

「なんだよ、ちゃんと言えよ」

「ちゃんと話すから、マツ、来て…」

沙織は やっとのことで マツを 自分の家に連れて行く。

朋久は、いくらでも 自分が話すことはできたのだが

沙織が マツを 連れていくときに

視線が 何もするな と 言っていたのを感じた。

朋久は、家に戻ると 千恵に 一部始終を話した。

「まぢかい?タイミング悪いというか、…大丈夫かなあ、沙織…」

「俺がいったら余計ややこしくなるよな…」

「なるね。確実…」

「千恵ちゃん、力貸してくんないか…」

「浅野さんのためじゃないよ。大丈夫、沙織も浅野さんのこともマツのこともちゃんとするって言ってたから…」

「どうゆうこと?」

「沙織、マツに自分の気持ち話すって言ってたの。だから、これは、あたしからお願い」

「うん、どうした?」

「浅野さんも自分のしてること、責任持ってほしい。沙織、こんなふうになるの初めてなんだよ…」

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