Lemon Drop

-Side 陽-

教室に戻ると

2限目は自習だったみたいですんなり入れた。



「陽、お前またサボりかよ〜?」



遼が笑いながら話し掛けてきた。



2年になってフランスから転校してきた俺に

最初に話し掛けてきた奴だ。



それ以来なんとなく一緒にいることが多い・・・


まぁ悪い奴ではない。



「寝てた」



短く俺は答えた。


・・・なんだか遼の顔を見るとイライラする。



「なんか機嫌悪いのか?」



遼は何かを察知して聞いてきた。


案外鋭いな・・・



「別に。
・・・七香に会った。」



「え、七香に会ったのか?

・・・まさかアイツも寝てたとか?」


「うん」


言葉が少ない俺なのに

遼はいつも気にする様子もない。


こういうトコロも一緒にいる理由なのかもしれない。

楽なんだよな・・・



遼は俺の言葉を聞いて吹き出した。



「ぷっ、七香は変わんねーな!」


「アイツから寝るコトと
りんご取ったら

確実に生きていけないな」



「・・・ふーん」



さっきから遼が“七香”って言う度ムカつく・・・


なんでだ・・・?



あ、これさっき七香の口から“遼”って聞いたときも思った・・・
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