ドアをあけてごらん
4
それでね、

三日間

ずっと

点滴してさ、



また部屋に

戻ったんだよ。


でも、

もう

学ぼうとはしなかったね。


もっと別のものが

大切だって

感じてたのかな?  



とにかく、

それが

何者

なのか

探し始めたんだよ。


でも

正直

言ってさ、

見当もつきゃしなかったよ。


なんたって、

生まれてから

十七年間


何も

考えて

こなかったんだからさ。



何も……。


「はい!」

って手をあげて

聞こうとしたんだけどもさ、

まわりには


誰もいないんだな。


あの優しい


桜井先生さえもだぜ。
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