妹なんていらない
「ああ、先輩、みぃちゃん!
急がないと遅刻です!」
千鶴の声にハッとした。
そうだった。
今の俺たちにはのんびりと雑談していられるほどの余裕がなかった。
ぶつぶつと、こ…こんにちは、とあいさつの練習をする美波をとりあえず覚醒させる。
ついでに朝のあいさつはおはようだと言い聞かせておいた。
「ああ〜、もうっ!
遊んでないで急いで下さい!!」
いや、これっぽっちも遊んでいるつもりはないのだが。
「こうなったら実力行使です!」
そう言うと、千鶴は俺を右手で、美波を左手で掴み――
「ちょっ!こら!千鶴!
腕が、腕がちぎれる!!」
「ち、千鶴!
走るから!自分で走るから!!」
…全力で校舎へ向かって走り始めたのだった。
余談だが、あとで見たら俺の右腕にはうっすらと痣ができていてマジでビビった。
急がないと遅刻です!」
千鶴の声にハッとした。
そうだった。
今の俺たちにはのんびりと雑談していられるほどの余裕がなかった。
ぶつぶつと、こ…こんにちは、とあいさつの練習をする美波をとりあえず覚醒させる。
ついでに朝のあいさつはおはようだと言い聞かせておいた。
「ああ〜、もうっ!
遊んでないで急いで下さい!!」
いや、これっぽっちも遊んでいるつもりはないのだが。
「こうなったら実力行使です!」
そう言うと、千鶴は俺を右手で、美波を左手で掴み――
「ちょっ!こら!千鶴!
腕が、腕がちぎれる!!」
「ち、千鶴!
走るから!自分で走るから!!」
…全力で校舎へ向かって走り始めたのだった。
余談だが、あとで見たら俺の右腕にはうっすらと痣ができていてマジでビビった。