妹なんていらない
「うーっす」




教室に入るなり、一人の男が俺を手招きしているのに気づいた。



背丈は俺と同じくらい。



顔は悔しいが、俺よりいい。



たいていの人はこいつをカッコいいとか言うだろう。




しかし、こいつには一つだけ近寄りがたいものがある。



それは髪。



理由はわからないが、金髪なのである。



しかも、本人は地毛だと言い張っている。



何でこいつはこんなに馬鹿なんだろうなぁ。



そんな理由で学校側が許可するはずないだろう。




………まあ、黙認されているらしいがな。



見えない力が働いている気がしてならねぇよ、俺は。
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