妹なんていらない
「ば、バカやろ!!

俺はそんなこと……!」



ギィ…、と音をたててドアが開かれた。



背中に感じるまがまがしいオーラ。



人の気配なんて一切感じることができない普通の人間な俺だが、今なら分かる。



このオーラ、これは一般に殺気と呼ばれるものだ。




「誰が…根性ないって?」



「待て…落ち着け。

分かるよな?
雨宮が言った言葉は…」



「えぇ、分かってるわよ…」



「そ、そうか…」



「あんたは死にたいらしいわね?」



「一ミリたりとも理解してねぇ!!!」






    ◇




この後のことは語りたくない。


マジで、本気と書いてマジで。




ただ、雨宮のやつが腹を抱えて笑っていた、とだけは言っておく。
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