妹なんていらない
テラスの上にある封筒。



何となくこいつが何をしようとしているのかわかった。




「………とってやろうか?」



「………ほっといて」



「あのな………

梯子の上でつま先立ちしてるようなやつを黙って見てられるか」



「………あんたには関係ない」




くそ、このやろう。



人の好意を。


これから先、一回あるかないかの妹への優しさを。



あっさり踏みにじるとはなんてやつだ。




とりあえず、心の中で、二度と優しくしないことを誓うとしよう。
< 23 / 317 >

この作品をシェア

pagetop