妹なんていらない
雨宮がキスをしてきた。



俺とキスをした。



冗談だと思っていた。


何だかんだでいつものように俺をからかっているんだと思っていた。



けれど、これは何だ。


本気でキスされている?


雨宮が俺に………




ガタン!




その音で我に返った。



入り口付近に目をやると、口元をわなわなと震わせている美波がいた。



何が起こっているのかわからない。



そんな視線で俺と雨宮を見ている。




「ち、ちがうっ!

これは別に特別な感情は………」



「あ…えっ………」



俺の言葉を理解しているのか怪しい。


声を散り散りに漏らし、少しずつ後ろへ下がっていく。



「ふふっ…

ねえ、高橋くん。
これって…修羅場かなあ?」



「お前………!

くそ!!
はやくどけっ!!」



もう雨宮のことなんて構ってられない。


多少乱暴だが、突き飛ばすようにして雨宮を引き剥がした。
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