妹なんていらない
「………まあ、俺たちみたいなガキがいくら言ったところで何も変わらんだろうがな」



それだけ言うと、勇人は立ち上がった。



俺は座ったまま勇人を見上げる。


太陽の光が勇人の金髪をさらに輝かせる。


こいつにとって唯一の反抗、抵抗の証。


ガキっぽい、といえばガキっぽいが仕方ない。


だって俺たちは、大人たちから言わせれば、まだ何も分かってない子供でしかないのだ。





………でも、




「なあ純一」



「ん?」



「雨宮がいろいろ言ったみたいだが…

………お前は変わるなよ?

変わる、ってのはそれはそれで大変なんだ」



少なくとも、一つ。


大人だってわからないことがあるだろう。



「………一応、了解」




俺がそう言うと、勇人はふっと笑って屋上から去っていった。


そして、残された俺は再び空を見上げる。



雲一つない青空。


何だか俺の悩みなんてちっぽけに思えてしまう。












………大人にはわからないだろう。



俺たち、ガキの気持ちなんて。
< 312 / 317 >

この作品をシェア

pagetop