妹なんていらない
「やった…やったあぁぁ!」




座っていた美波は、両手をバンザーイ、とばかりにあげると嬉しそうにはしゃいだ。



立ち上がり、ぴょんぴょん跳ね、満面の笑みで騒ぐ。




「やった!やった!やっと書けたぁ!!」




その仕草は、あまりにも幼く、改めてこいつが年下だと認識させられた。



そんな美波の言動には唖然とする俺。



しかし、どうだろう。



あまり嫌な感じはしなかった。




はしゃぐ美波がおもしろかったわけでなく、ただ単純に、美波の喜ぶ姿を見ていると嬉しくなった。



そんな俺の視線に気づいたのか、美波は自分が今何をしているのかを確認した後、カーッと顔を真っ赤にした。




「………な、何見てんのよ」



「いいや、別に」




よくわかんないけど、俺はこいつに協力して良かった気がする。



その見返りが、たとえ一時の笑顔だったとしても。



何だか…嬉しかったんだ。
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