妹なんていらない
美波はうつむきながら、しぼりだしたような声を出した。




「そんなに…ダメだった?」




もちろんダメだった。


ひどい、ってレベルじゃない。



まだ俺の方がうまく言えそうなくらいだった。




俺は正直にそう言おうとして、美波を見た。




相変わらずうつむいたままで、鼻をすするような音も聞こえてくる。




そんな美波の姿を見ていると、本音を言ってやろうか迷ってしまう。



いくら嫌いな妹だからって、泣かせていいものじゃない。



だってそうだろ?


一応俺は"兄貴"で、こいつは"妹"なんだ。




喧嘩してるわけじゃない。


ただ、相談にのってやっている。



そんな状態で、美波をこれ以上泣かせちゃいけないはずだ。
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