妹なんていらない
「あの…先輩?」



「え、ああ気にすんな。

こっちの話だから」



「そうですか…

それにしても………」




結城は俺の手を両手でガシッと握ってきた。



驚いて結城を見ると、結城の目はキラキラと輝いていて、思わずひいてしまった。




「僕、また先輩にお会いできるなんて感激です!」



「そ、そうか…」



「えぇ、そりゃもう超ド級の津波が押し寄せてきたくらいです!」



「…………」




相変わらず、と言うべきなのか。



結城真一。



中学んときもそうだったが、こいつは無駄に明るい。



そうだな、千鶴といい勝負になるんじゃないだろうか。
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