もう一度 笑って
「樹里は誰にあげるの?」

爽やかで
人を疑うなんて知らない大内 智世が

あたしのチョコに気がついて
口を開いてきた

「実はさ、あたし
海君が好きなんだ」

派手なチョコを
左右に大きく振った

智世の眼球が揺れるチョコに
合わせて動いている

「え、あ…そう、なんだ」

智世の表情が固まった
絶望と諦めの表情が
智世の顔に広がっていく

智世は他人を不幸にしてまで
己の幸せを優先しようとはしない

だからあたしが好きって言えば
諦めてくれる

たとえ付き合っていても


親友のためなら
智世は愛している男と別れる

あたしは
それを知っていて智世に告白した


確信しているから言う

100%


智世は別れる



海・ジェイムズ・アスバルトンと
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