「「キミが…」」 (沙樹&爽汰)【記念】
向日 沙樹






「ねぇ~~えぇ~~~沙ぁ~樹ぃ~~」


うるさい。
床にゴロゴロしながらアタシの名前を呼ぶの彼氏の爽汰。
もぅ親にも知られてるから家にわざわざ来てるけどさ…。
それに今年のバレンタインって休日だしさ。
それに気づいた爽汰は前日に
「俺明日沙樹の家に行くから!!」
なんて言い出した。



「何」
「チョコ!!」
即答ですか;;




「無い」
「え――――っ!!!!」

うるさいなあぁ
あるんだよ本当は!!
でも………あんなの渡せないし…。
見られたくもない。



「チョコチョコチョコチョコぉ~~!!!!」
うるさい;;


「爽汰うるさい」
そぅ言ったのはアタシではなく双子の兄の莉樹。
アタシと莉樹と爽汰はクラスで仲良し。



「あ、はい莉樹」
「お、サンキュー」
そぅ言ってさっきコンビニで買ってきたチョコを渡すと寝転んだ爽汰の前にしゃがんでそのチョコをヒラヒラと自慢気に目の前で揺らす。

「俺貰っちゃったぁ~ごめんな爽汰♪」

といってキッチンに向かう。



「何で!!!!何で莉樹にはあんの!!??」
「莉樹なんてさっきクラスの女の子から貰ってくせにぃ~~~!!!」
「どうせ月曜日にいっぱい貰うくせにぃ~~!!」

そぅ莉樹はモテるの。
そりゃヤバイほどに。
入学当時には、彼女と間違えられて散々な目に会ったし!!

同じ家に住んでても、何年見ても飽きないほど莉樹はかっこいい。
莉樹の彼女が羨ましい。
なんていつも言われてる。
でも作んないんだよねぇ……。
何でだろ。







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