俺様!何様?執事サマ!?
「…愛ちゃん」
また、抱きしめられた。
櫂にはいつも優しさをもらうばっかりで。
申し訳ないと思うけど、涙は気持ちに逆らって溢れてくる。
拒む理由が見あたらなくて、そのまま腕のなか。
「…すまん。余計なこと話してもた」
私は首をふる。
櫂が悪いわけじゃないよ。
「…爽…っ」
でも、いまは爽の名前を呼ぶことしかできない。
なんでこんなに悲しいんだろう。
「そ、う…」
写真みたいな笑顔を私に見せてくれたことは一度もない。
「…爽…」
爽は、美羽さんが好きなの?
「爽……!」
―――バァンッ!!!
突然、大きな音がして。
よく聞いたら、それはドアが開いた音。
と、いうことは
「……昼間の続きか?」
そこには、爽がいるわけで。