許嫁
「お前、俺のこと好きだろ」


「・・・は・・い?」


てっきり告白だと思っていたのに返ってきた言葉に唖然とする。


「ほら、今だって、俺が見つめただけで真っ赤になってるし」


「・・・」


面白がってのばされた右手を振り払う。


これは、あんたが無駄に色気を垂れ流しているからでしょ。


そう言ってやりたいのに言葉が口から出ない。


「なんなら、つきあってやってもいいぞ」


「お断りよ」
< 46 / 123 >

この作品をシェア

pagetop