*短編*大切な想い出
将は生ビールを頼んだ
テーブルに移るとさっきのお店の女の子が綺麗な硝子の器に入ったキャンドルを置いてくれた
「良かったよ‥家に帰ってなくて。けど夏帆一人で飲みに来るんだ」
「ううん‥一人で来たのは初めて。何となくあのまま帰る気になれなくて思い切って入っちゃった‥将乾杯しよ」
将と二人静かにグラスを合わせた
「何か夢みたい‥まさかこうして将と二人で飲めるなんて‥現実味ないね」
「そうだな。あのまま別れてたらまた俺次逢うまで眠れないよ」
将‥そんなこと言ったらダメだよ
私は2杯目も飲み干しておかわりをした
カクテルと目の前の将に私は酔ってる
「将‥私に大丈夫かって聞いたでしょう?大丈夫じゃなくても大丈夫だよってしか答えられないよ」
「ごめん。そうだよな‥そんなこと分かってるのに‥大丈夫じゃないって言われても俺は何もしてやれないもんな」
「でも心配しないで。子供と二人幸せにやってるから。ねぇ‥将‥もしも過去をやり直せるとしたらやり直したい?私はね‥正直色々大変なこと沢山あったけどやり直したくないんだ‥やり直したら息子と出逢えなかったから。結婚して続けることが出来なかったけど出産を経験して息子という宝に恵まれたから」
「良かった‥夏帆がそういう気持ちでいてくれて。俺も子供達と出逢えて良かったって思ってるからやり直せないな」
「将は結婚して浮気したことあるの?」
「‥ないよ‥一度も」
「やっぱり将は思った通りの将だね‥変わってないね」