ツンデレ彼女を監禁して
今日は、そんなことをする必要はなかった


何せ、彼女はここに『戻ってくる』のだから


余裕気味に体を立たせれば


「な、何よ、これっ!」


玄関から響く悲鳴


にして、その悲鳴の主は俺の思惑通りに部屋に戻ってきた


「ちょっと、どういうことよ!何なの、あの鍵!外に出られないじゃない!」


耳をつんざくような怒鳴り声


それを、俺は寛大な気持ちで聞いていた


「言ったぞ。『ここに来た時点で、嫌とは言わせない』と」


ふふん、と鼻を鳴らす


昨日の内に取り付けた鍵

しかも、『内側』にだ


錠を外すには鍵が必要

なければ、開かないのが道理


故に、彼女にはあの扉を開けられないというこの摂理は、博士号でも取れそうな俺の策だった


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