【短編】彼のため[続編2追加]
ホント、あの頃が懐かしいよ。


『私にできることならなんでも言うこと聞いてあげる。』


毎回のテストでのやりとり。


まあ、美沙のおかげで、高校最後のテストで10位をとるほど。


俺の目覚ましい成果に先生たちは泣いて喜んでたっけ。


マジ、懐かしい。


美沙、お前の気持ちは、あの頃と変わってないか?


俺は、変わらないと信じていたから。


『俺が美沙の将来を壊すなら、別れよう。』


こんな事が言えたんだ。


俺には、美沙しかいないから。


美沙だって、俺しかありえないだろ?


美沙には、伝わったか知らないけど。


悲しげな美沙をよく覚えている。


あれが、最後に見た美沙の顔。


もう一度、美沙の笑った顔がみたい。


それだけで充分だ。


しかし、太地から連絡が来たもののどうすればいいんだ?
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