【短編】彼のため[続編2追加]
すぐに蘇った想い。


てか、蘇るもなにもずっと想っていた。


美沙への想いは、少しも色褪せずに愛しい。


あの時.....


『私は、秋がいなきゃ、生きてけない。』


それは、進路確定のギリギリの時だったな。


そう、まだ高校生だった俺と美沙。


まだ、大人になりきれない子供だった。


あの時、美沙は、悩んでいた。


卒業後の将来を。


でも、俺はわかっていた。


俺とつきあい始めた頃に言ってたからだ。


『高校卒業したら、留学がしたいんだよね。』


だから、悩む必要なんてない。


美沙が望んでいる道だから。


俺のそばにいる事と留学を天秤にかけるなんて間違いなんだ。


てか、快く送り出す準備はずっとしていたから。


俺は、そんなことを美沙には言わずに、ずっと思っていたんだ。


けど、美沙は違う道を選ぼうとしているのか?



留学より俺をとろうなんて。


なぜ?


俺が美沙の将来を潰すのか?


たった何年かだろ?


俺と美沙は、大丈夫。


絶対に別れない。


けど、不安なのか?


それだけ、俺を愛してくれてるのか?


けど、美沙には自分を優先に考えてほしかったから。
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