出会う確率の方程式
あたしが見た彼…昨日出会ったばかりの学生服の彼。

廊下の手摺にもたれ、グラウンドをぼんやりと眺めていた。

あたしはただ…突っ立てるだけ。


なぜか柔らかな風が吹いていた。

あたしの前髪が、気持ちよさそうに靡いているのを感じていた。

なのに、あたしの心だけが、止まっている。

心臓の音も聞こえずに、ただ…彼の横顔だけが目に映っていた。


「シュート!」

グラウンドの方から、メグのはしゃぐ声が聞こえてきた。

近くで、サッカー部の練習を見ているのだろう。


その声がやっと、あたしの心の緊張を解してくれた。


少し息を吐き…やっと足を動かそうとした時…。


「もう来ないかと思っていたよ」

彼がグラウンドを見つめたまま、口を開いた。
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