出会う確率の方程式
再び、あたしの動きが止まったが、

目だけは冷静に周りを見て、

あたし1人しかいないことを確認した。

つまり、独り言でもないかぎり、あたしに話しかけているということになる。

そうかもしれない事実に、ドキッとして、また緊張してしまう。



「…でも、サッカーが好きなんだね。あなたは…ずっとずっと…」

彼はやっと、あたしの方に顔を向けた。

その表情はとてもとても、素敵な笑顔だった。


「部活っていいよね。俺もそんな経験をしたかった」

彼は再びグラウンドの方に、顔を向けた。

メグのはしゃぐ声が、また聞こえてきた。

それに混じって、グラウンドを走る足音がいっそう強く響いてきた。
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