出会う確率の方程式
森山は、あたしの顔を見ると、

「だから、竹内さんと話したいとずっと思ってたんだけど…なかなか声をかけれなくって」

頭をかき、

「今日は1人みたいだから、絶対声をかけようと思ったんだ」

どうしてと、あたしがきこうとしたら、それより先に、森山がはにかむように、言葉を続けた。

「おれ…かわいい女の子が好きなんだ」

顔を赤らめて、あたしをじっと見つめ…そう言いましたとさ……

じゃない!

ゲ!

あたしがたじろぐと、森山は少し視線を逸らした。

その様子に、身の危険を感じたあたしの肩を、太田さんがぽんと叩いた。

「大丈夫。この子…そっち系じゃないから」

にこっと、あたしに微笑んだ。

不気味…。

「でも、キスは女としか経験してないみたいだけど…」
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