桃色ドクター
待つって辛い。
私は、何もせず
ただ待つしかできない。
いや、何もせずってわけじゃない。
しっかりと自分の身の回りを整理し、受け入れ態勢を整えておかなければ。
瀬名先生と体の関係にならなかったことが、私の苦しみを減らしてくれていた。
怖いもので、体っていうのは記憶力が良い。
だから、会えない夜・・・きっと思い出してしまう。
雅也と別れることがようやく決まり、雅也は家を出ることになった。
家具も何もかもいらないと言い、最近の彼はとても優しかった。
人は変わることができるんだと知った。
最後のキスをして、雅也が部屋を出て行った後、ありえないくらい激しく泣いてしまった。
何が悲しいのか、よくわからない。
1時間くらい泣き続けて、私は復活した。