桃色ドクター
酔っ払うと雅也は必ず電話をかけてくる。
嫌がってはいても、酔うと男の声が聞きたくなるのは私も同じで・・・
誰かから『好き』とか『お前じゃないとだめ』と言われることは気持ちが良かった。
「彼氏と飲んでるからもう切る」
強がる私。
『嘘だろ!どうせ女と飲んでるんだろ』
私の強がりを見抜く雅也。
悔しいけど、雅也は私のことをよくわかっている。
私はこうして、雅也との関係もまだきっぱりと切れずにいた。
瀬名先生、会いたいよ。
私を温める手になってくれるんでしょ?
寒いよ。
温めて。
もう限界だよ。
会いたくて、声が聞きたくて・・・
仕方がないよ。