桃色ドクター
時間だけが過ぎる。
ホワイトデーは、何事もなく過ぎ去った。
それからも、私の携帯に瀬名先生から電話がかかってくることはなかった。
4月になった。
春になり、私の傷は癒えてきた。
半分信じて、半分疑って・・・・・・程よい感じで心がふわふわしていた。
泣くほど辛い時期は過ぎた。
でも、どよ~んとした悲しみが私の上に乗っている感じ。
私は、時々雅也と会っていた。
どういうわけか、雅也と一緒にいると瀬名先生のことを忘れられた。
瀬名先生は、今何を思い、どう過ごしているんだろう。
本人に確かめたわけじゃない。
でも、いまだに連絡がないのは、やっぱりだまされてたってことなのかも知れない。
愛してしまったんだから、仕方がない。
最後までだまされてやる。
おばあちゃんになるまで待って、待ちくたびれて死んでいっても悔いはない。