桃色ドクター
あぁ…違う!
イメージと違う。
医院長って、普通おじさんじゃん。
どうしてこんなに爽やかな人が医院長なの?
私の一番苦手なタイプだ。
自分がかっこいいと思っているナルシストタイプ。
金持ちで、自分が正しいと思っているような男。
きっと看護婦にも手を出しているんだろう。
まだ一言しか話していないのに、私の頭の中には瀬名仁ノ介の勝手な想像がどんどん膨らんでいた。
その肌の美しさと、さらさらの髪のせいだ。
私の忘れたい程の悲しい過去が蘇る。
「朝から大変でしたね」
にっこりと笑った彼に・・・
引き寄せられそうになる。
微笑むと、口元の印象が変わる。
それまでクールなイメージを与えていた薄い唇が、とてもかわいく見える。
口角が上がると、顔全体がとても優しい表情になる。
あいつも、こんな優しそうな顔で笑っていたっけ…
平気で私を裏切った顔と金だけだったあいつ。