桃色ドクター


恵理は……

雅也と寝た。




一度だけ。


しかも酔った勢いで。




まぁそれもありかと思ったんだけど、まだ雅也は恵理の気持ちには気付いていないらしい。



もうすっかり私への未練は断ち切った雅也は、毎週毎週コンパへ出かけて、いろんな女の子とデートをしているんだって。




「恵理ってさぁ、雅也のどこがいいの?」



過去に雅也の彼女だった私が言うのもおかしいけど。


水着売り場で、派手なピンクのビキニを手に持った恵理が恥ずかしそうに微笑む。




「だって……ほっとけないんです」



母性本能をくすぐられるんだと言う。

私がどうにかしてあげたいと。



「じゃあ、早く告白したら?」



「無理です!!!」






< 187 / 247 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop