桃色ドクター
恵理は……
雅也と寝た。
一度だけ。
しかも酔った勢いで。
まぁそれもありかと思ったんだけど、まだ雅也は恵理の気持ちには気付いていないらしい。
もうすっかり私への未練は断ち切った雅也は、毎週毎週コンパへ出かけて、いろんな女の子とデートをしているんだって。
「恵理ってさぁ、雅也のどこがいいの?」
過去に雅也の彼女だった私が言うのもおかしいけど。
水着売り場で、派手なピンクのビキニを手に持った恵理が恥ずかしそうに微笑む。
「だって……ほっとけないんです」
母性本能をくすぐられるんだと言う。
私がどうにかしてあげたいと。
「じゃあ、早く告白したら?」
「無理です!!!」