桃色ドクター
会いたい。
会いたい。
触れてほしい。
この寂しい心を瀬名先生に触れてほしい。
雅也が何時に帰ってきたのかは、わからないが、雅也は上機嫌だった。
何も聞かないのは、もう雅也を好きじゃないから…
もう、気にもならない。
雅也が朝から、誰かとメールをしていても…
嬉しそうに鼻歌を歌っていても…
どんどん腰の痛みが治ってゆく。
そして、私の気持ちはどんどん大きくなっていく。
これ以上知ってはいけないと止める私を、もう一人の私が諭す。
『一度きりの人生だよ』
私は、2人の自分と戦っていた。