桃色ドクター
翌日、私は病院に行かなかった。
本当は行きたくて行きたくて仕方がなかった。
私は仕事を休んで、ただ家で寝ていた。
逆効果だった。
会えない方が、より彼を考えてしまう。
瀬名先生は、心配してくれてるのかな。
今度は叱ってくれるかな。
そんなことばかり考えていて、きっと私は明日病院へ行ってしまうんだ。
1日我慢した分、もっともっと瀬名先生の温もりを求めている自分がいた。
どうして結婚しているのだろう。
せっかく出会えた私のハートを鷲掴みにする男…
独身だったら…
もっと早く出会えていたら…
そんなことばかり考えていたせいで、また瀬名先生の夢を見た。
瀬名先生が優しく私の腰に触れてくれる夢だった。
真っ白い部屋に私と先生しかいなくて、私たちは恋人同士のようだった。
目覚めた私の頬には涙の跡があった。
こんな気持ちは生まれて初めてかも知れない。
誰かを好きになってはいけない、と自分に言い聞かせるのにどんどん好きになってしまう。
『私に何を言わせたい?』…瀬名先生のあの甘い声と色っぽい目が私を壁際に追い詰める。
助けて。
誰か。