桃色ドクター
『平野さんですか?』
どうしてケータイ番号を知ってるんだろう。
「はい。瀬名先生」
大きく深呼吸をして呼吸を整える。
『あ、どうして僕だとわかったんですか?あ、登録してくれてたんですか?夜分にごめんね』
ドキ…
敬語じゃない瀬名先生は、ものすごくセクシーだ。
僕って言ったのも新鮮だった。
「私の番号どうして知ってるんですか?」
本当は嬉しいのに、わざと迷惑そうな声を出してしまう私。
寝室の天井の模様をじっと見つめながら、そこに浮かぶ先生の笑顔にときめいた。
『最初に電話してきてくれた時に聞いたでしょ。今日、来なかったん伝えられなくて。私、明日急用で休むことになったんです。まぁ、その連絡だけなんですが…』
耳に当てた携帯電話が、今までとは違う温もりを放つ。
すぐそこに、瀬名先生がいるような感覚。
隣で、瀬名先生が話してくれているのかと思うくらい、その声は鮮明で息が耳にかかるんじゃないかと思うくらいだった。