桃色ドクター
「じゃ、平野さんの腰の完治を祝って」
「乾杯!」
こんなに気の合う人っているんだね。
話がどんどん盛り上がって、食べることも忘れるくらいにずっと話していた。
瀬名先生は、私の知らないことをいっぱい知っているのに、全然偉そうじゃなくって腰の低い素敵な人なんだ。
「俺は医者には向いてない」
瀬名先生はそんなことを言った。
そんなことないですと言うと、照れ臭そうに笑った。
「でも、確かに瀬名先生は患者に色目を使うから医者としては、危険ですね」
「はははは。色目使ったかな?俺。まぁ、君には使ってしまったかも知れないけど」
時々、こんなことを言って、私をドキドキさせた。