桃色ドクター
お酒が弱い瀬名先生はワインを飲み干した後、顔を赤くしていた。
その顔がまたかっこよくて、ドキドキした。
「平野さんはお酒強いな。俺、家まで連れて帰ってね」
「腰痛だから無理です。抱っこできませんよ」
「いいよ。俺が抱っこしてあげる」
「そんな酔っ払ってる人に抱っこされたら危険です!」
私達は2軒目の店にいた。
イタリアンレストランのすぐそばにあるバーのカウンターに座っていた。
そこの椅子は、背もたれがついていて腰に負担はかからなかった。
でも、もし腰が痛い椅子でも構わない。
瀬名先生と一緒にいられるのなら、痛みなんて全く感じない。
もう止めることなんてできないくらい好きが溢れていた。
少し酔って、大胆になる瀬名先生に、私の心は奪われていた。