桃色ドクター

どうやって渡そう･･･



診察室で渡すことも考えたが、やっぱり白衣を脱いだ先生に会いたかった。




中学生以来の、『待ち伏せ』ってやつ。


瀬名整形外科の前のコンビニで時間を潰す。


診療時間を過ぎても、瀬名先生は出てこない。


患者さんが病院を出て、待合室は誰もいなくなり、受付の女性も病院を出た。




ストーカーじゃん、私。



でも、なんだか懐かしい。


こういう気持ち。




憧れの先輩の家の前で、こうしてずっと待ち伏せしていたことを思い出す。


かっこよかったなぁ、あの先輩。


結局、私の名前も言えないまま、ただチョコを渡して帰ったけど。