桃色ドクター


「俺、寂しいだけだと思ってる?」



瀬名先生は、視線を私に向けた。


私は真っ直ぐな目が怖くて、目をそらした。




「マリッジブルーじゃないですか?よくあるじゃないですか」



瀬名先生の真剣な目を受け止めてしまわないよう、冷たく答えた。



「違う。君に初めて会った時に感じた。俺が探していた人だって・・・君みたいな人がそばにいてくれたら、心が穏やかでいられるんだろうな」



私だって同じ。


瀬名先生に初めて会った日から、そう思ってた。



この人と一緒にいられる人は幸せだろうなって。





私もそう思っていて、瀬名先生もそう思っていたとしたら・・・


それって運命じゃないのかな。



< 90 / 247 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop