桃色ドクター
「俺、寂しいだけだと思ってる?」
瀬名先生は、視線を私に向けた。
私は真っ直ぐな目が怖くて、目をそらした。
「マリッジブルーじゃないですか?よくあるじゃないですか」
瀬名先生の真剣な目を受け止めてしまわないよう、冷たく答えた。
「違う。君に初めて会った時に感じた。俺が探していた人だって・・・君みたいな人がそばにいてくれたら、心が穏やかでいられるんだろうな」
私だって同じ。
瀬名先生に初めて会った日から、そう思ってた。
この人と一緒にいられる人は幸せだろうなって。
私もそう思っていて、瀬名先生もそう思っていたとしたら・・・
それって運命じゃないのかな。