幸せでした・・・
『おぅ・・・。』


「・・・。説が来てからあのあと先生のことろに行ったの・・・そした

ね・・・・・・・・・。」


『そしたらなんだよ・・・。』

 
「・・・あたし・・・あたし・・・癌だって・・・。半年だって・・・。」


『・・・。』


「神様って不公平だよね・・・あたし・・・さっきまで記憶喪失で苦しんでたんだよ・・・。グ

ス・・・あたしが・・・苦しんでた間たくさんのカップルが出来てたかもしれない・・・。結婚

してたかもしれない・・・キスしてたかもしれない・・・。子供生んでたかもしれないんだよ

!!!!!!!!その人たちは幸せだよ・・・。それなのにあたしばっか・・・いいことなく

て・・・説にも振られて・・・事故して・・・記憶喪失になってそのあと癌なんて・・・ひどす

ぎるよ・・・。」


『・・・。』


「不公平だよ!!!・・・ずるいよ!!!・・・。普通に暮らしたいのに・・・。ただ生きたい

だけなのに!!なにも望んでないのに!!!」


『・・・。』


「ねぇ・・・圭介・・・聞いてる・・・??」


『聞いてるよ・・・。』


「なんで・・・なんで・・・あたし・・・なのかなぁ・・・。」


『・・・。』


そして沈黙になった。


電話のむこうから拓弥と恵里香の話声が聞こえる。


『舞がぁぁ・・・。』


『山下が死ぬなんて・・・ありえねぇから・・・。』


あたしも思う。


今は元気なんだから・・・。
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