天上のワルツが聴こえる
「…それが?」

アンドロイドも、うすく笑った。

「傑作だよ。恋に目がくらんだアンドロイドが、任務を放棄するなんてね」

少年は、勝ち誇ったように喋り続けた。

「夢見とアンドロイドの恋愛ごっこも、それなりに面白い余興だが、君の行為は、明らかに職務から逸脱していた。このコロニーは、いわば病院なんだ。行き場のない精神的不適応者たちを、保護しなければならない」

少年が羽織っているピンクのコートが、風もないのにふわりとひるがえる。



「君にはもう、Pナンバーを受け継ぐ資格はないな」
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