天上のワルツが聴こえる
少女の前で、扉が開いた。

そこは、やはり、丸天井のドームの真下だった。

純白のドーム天井の下に、白い円形のステージがある。

そのステージには、透明なドーム型の覆いがふたのようにかぶさっていた。

全てが白を基調に造られている。

壁には、その聖堂の雰囲気にはそぐわない、コンソールがはめこまれていた。

少女はそこに立ち尽くしたまま、つぶやいた。

「あたし、どうしたらいいの?」

「大丈夫。ぼくが全部、知っているよ」

フロルはそう言って、とても大人びた笑い方をした。

「全部? 全部って何を知ってるの?」

「君のことをさ」
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