天上のワルツが聴こえる
「あ…たし…」

少女は、ものすごく後悔した。

もしかしたら、自分は取り返しのつかないことをしたのではないか。

そんな思いに支配された。

「ピーチの所へ、帰らなきゃ…」

一瞬フロルは、そんなバカなという顔をした。

だが、すぐにもとの冷たい無表情に戻った。

「ばかなことを言うもんじゃない。君はね、もう、帰れないんだよ」

「そんな!」

「思いだしてごらん。君が本当に帰るべき所は、ここじゃないのかい?」

フロルの言葉は、まるで催眠術をかけるように少女の耳に響いた。
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