Love Lesson
「…きゅ~う、じゅ~う…」
すぐ近くで絢香、いや『鬼』の数える声が聞こえる。
そう、あたしは中学時代かくれんぼクイーンだったユウちゃん(地元の友達)の隠れ方を真似して、絢香のいるベンチの後ろの木に身を潜めたのだ!
鬼の『数え終わったらすぐ捜しに行く』という習性を利用したのだ。名づけて『灯台もと暗し作戦』!
しかもこの作戦、鬼の様子を把握しやすいという利点もある!
都会人め、田舎者をナメんなよ~!
地元の遊びは全て罰ゲーム付きだったため、ついいつものように力が入ってしまうあたし。
「ご~じゅきゅう、い~っぷん。…捜すよ~!」
鬼が遠くの方にまで叫んでいるのを見たところ、あたしの存在に気付いてない様子。
案の定、鬼は向こうの方へ駆けてった。
「…この勝負、もらった…!」
あたしはこの瞬間、勝ちを確信した。



10分以上経過したが、鬼は降参どころか中庭にもいなくなっていた。
「おかしいなぁ…」
試合放棄か!ホント能天気だなあ都会人って。正々堂々勝負しろってのに。
闘志が冷めてきたら1人隠れてる自分が恥ずかしくなってきた。
「絢香ぁ?」
結局かくれんぼは中断、絢香を捜す事にした。
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