スケッチブック

愛海香(まみか)

私の名前は、


宮原愛海香(14)


私はしゃべれない。


しゃべりたいんだけどねっ。


ある事情があってね。


今は、自分にしか聞こえない、


心の声で話してるの。


人と話す時はスケッチブックと、


ペンを持ってるんだ。


まぁそんなことで。


私はとある駅に来た。


すると...


素敵な歌声が聞こえてきた。


そこには人だかりができてた。


―オレは、なぜここにいるんだろう?
 

 オレは、何しにここへ来たんだろう?
 

 お前に会いに来たのに...


 お前はいなかった。
 

 お前は今どこにいるんだ?
 

 オレはお前を探してるんだ。


 大好きなお前を...―


あぁー。


いい歌だ。


すごい。


なんかグッと来た。


塚、人邪魔だし。



あ。終わったみたい。


話しかけてみようかなぁ...(なぁんてねっ)


あ。こっちに来た。


「聞いてくれてありがとう」


話しかけてくれた。


書かなくちゃ!!


変な顔されちゃってる。


ヤバッ


よし書けた!!


【いい歌ですね^^】


「あっ。どうも。」


アレ??って顔された。


説明しなきゃ(汗)


【私しゃべれないんで、
 スケッチブックに書いているんです】


「そうなんだぁ」


よかったわかってくれて...(^_^)


【はい。そうなんです。
 明日も歌いますか?】


「うん。歌うよ。
 君名前なんていうの?」


【あ。すみません。
 私、愛海香です。あなたは?】


「俺は、歌奈多。よろしく。
 明日、聞きに来てね。
 俺、帰んなきゃ。」


か、な、た。いい名前だぁ...。


【あ。はい。わかりました。
 明日また来ます。】


あぁー行っちゃった。


手振らなきゃ。


かっこよかったなぁ...


明日も来なくっちゃね。

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