黄昏の宇宙(そら)

酷く後味の悪い交信だった。


自分や他の人間を巻き込みたくない一
心の更新切断では有ったが、彼等は自
分達以上に進化の可能性を否定してし
まっていた。


空間に漂う意識だけの生命体。


その昔は幽霊と呼ばれた事も有ったの
だが、死後人の意思が宇宙空間に流れ
出る事は稀でない事が分かっている。


どんな小さな生物にも意識は有り、
地球程度の大きさの惑星に住む生物全
てを受け入れても宇宙には大きな余裕
が有った。


しかし、彼等は入れ物を捨て去ったの
だ。


理由は色々有るのだろうが、だからと
言って自分の体を差し出す気は毛頭な
い。


ゴーストはゴーストの星で平和に暮ら
せばよいだけだ。
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