黄昏の宇宙(そら)
イーグルはこのままコンタクトを終了
しようかと思った。


何故なら、悲しくて心が張り裂けそう
に成ったからだ。


それを察したのか、彼は更に続けた。


「皆、幸せになって欲しい。それがど
ういう形の物か解らないけれど、それ
は権利でも有るし、義務だとも思う。
だから、ね」


無重力の空間、闇に体を委ねるイーグ
ルの生命維持装置のヘルメットの中に、
大きな水滴が漂った。


イーグルは、生命維持装置の湿度を調
整して、その水滴を瞬時に乾燥させた。
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