あの頃は美穂がいて
慈しみ
高校初めての文化祭は、中学のとは比べ物にならないくらい大規模なものだった。色んなクラブの研究発表や出し物以外に、喫茶店、焼きそばやさん、バンドのミニコンサートなどなど、一日中歩き回っても飽きないくらいだった。


私と美穂は真っ先に生物部へ出かけて、葉っぱの葉脈の栞の売れ具合をチェックしたり、石橋君としゃべったりした。美穂と石橋君がちょっといいムードなので、お邪魔虫かなあ、なんて思ったりもしたが、美穂は全然気にしない。石橋君も生物部のコーナーから少しだけ抜けて、三人でお好み焼きを食べたりした。
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