白い天井~恋愛依存症候群~
5度目のリダイアルにして、圏外を知らせるアナウンスだけが虚しく響いた。


……そんな!


「あれ?チィ、こんなトコで何してんの?」


大通りの雑踏から急に声をかけられ、アタシはびくりと体をゆらした。


「あ……」


あんなにも会うのを楽しみにしていた彼。

就職活動のあとそのままなのか、長身にリクルートスーツが初々しい。


「何?泣いてんの?どうした?
とりあえず店入って落ち着こうよ」


いつもと変わらない、安心感をくれる彼。


背中を優しく押されて歩きながら、アタシはうるんだ瞳で彼を見上げた。

疲れているのだろう。
体育会系らしい、がっしりとした彼の顔にも、うっすらクマができている。

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