最後に初めまして。
朝になり病室は慌ただしさを増した。

ヒロや百合さんが駆け付けてくれたり、古都の両親やら親類等で混合っていた。

俺も古都も薬が効いたのか、ぐっすり眠れたので体調は万全だった。

久実が真剣な顔つきでやって来た時病室の空気が変わった事が分かった。
古都が身構え一瞬顔色が変わったが肩を抱いていた俺の手の上に手を置き息を一つ吐いて覚悟を決めた。

先に古都が運ばれ様としていた。

俺は古都の手を力強く握り締めて耳元でささやいた。

古都は目を見開いてびっくりした顔をしたが次の瞬間柔らかく微笑んだ。

うっすらと頬を染めて照れくさそうに笑ういつもの古都の笑みだった。

その後俺が運ばれた。

ヒロが俺の顔を見て親指を立てた。

百合さんは俺に向ってウインクをした。

俺達はみんなに守られているから大丈夫だ。

ここから俺の記憶はなかった。

ヒロに聞いた話だとかなり長い時間がかかった大手術だったらしい。

夜に手術中のランプが消えた時、俺のわるあがきが終わりを告げた。


そしてこの夜…。


古都がこの世界から
いなくなった――。

俺は麻酔が切れて目が覚めた時、久実から一通の手紙を渡された。

差出人は…。

古都からだった。


俺が退院した日に一匹の捨てられた子猫と出逢った。

古都の言葉を思い出していた。

家に連れて帰り子猫に古都と名付け一緒に住む事にした。
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