最後に初めまして。
あの出来事から半年が過ぎようとしていた。

季節も春を迎えてた。

日だまりの中ベンチに座ってあの手紙を読んでいた。


― 登へ ――

この手紙を読む頃は手術も終わり全ての結果が出てますね。

どっちだったのか分かりませんが、ちゃんと伝えなければいけないと思うので無理言って手術の前に書いてます。

私、登に出逢えて幸せでした。そして――――
ありがとう。

ずっと昔にあの病院の空地で出逢ってから愛していました。

登もこの事思い出してくれたんですね。

手術の前に登の言葉は忘れられません。

俺の初恋も君だったんだね。雨の降る日に出逢ったんだよね。
今度は俺が君をずっと待っているから。

嬉しいくて涙が止まりません。思い出してくれてありがとう。

もし私がこの世にいない時は新しい人生を歩んで下さい。

薫さんが言ってました。私にフラれたら遊んでくれるそうですよ。内緒にしてました。えへっ。

そしてこれはもう知っていますよね?

でも私の口から言わないといけないので言いますね。

倉木古都は私の双子の姉でした。
学校から帰って来てた姉は毎日、登の事ばかり話ていました。姉も登が好きだったのです。

私は残りの命を姉になりきって姉と私の初恋を叶えようとして登に嘘を吐きました。

ごめんなさい。

ヒロさんや百合さんにもごめんなさいとよろしくお伝え下さい。

最後に初めまして。

私は… 倉木 更 です。

PS―
名誉の為に…姉より私の方が先に好きになったんだからね。
―― 愛してる。――
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